奈良きたまち散策

奈良きたまち散策

この地域は、かって山背(京都)と大和(奈良)を結ぶ街道筋(奈良坂越)にあたり、大和の北の玄関口として、南都社寺への参詣、伊勢街道への入り口として旅籠が立ち並び大いに賑わったところで、今も古い町屋のたたずまいを残しています。また、平 重衡による南都焼き討ちや松永弾正が多聞城を築城し三好三人衆と戦った所、二度の戦火による焼失を奇跡的にのがれて今も残る国宝転害門や忍性菩薩ゆかりの鎌倉時代の社会福祉施設「北山十八間戸」など、古代から近世に至るまで歴史を語る上で欠かせない史実の舞台となったところです。

コース番号04-A00
所要時間約3~4時間
歩行距離3.8km
対象期間年中
利用交通機関バス

コースは一例です。
ご希望に沿って自由に設定できます。

■拝観料
般若寺:500円

このコースの概要

みどころ
旧奈良少年刑務所(重文・旧奈良監獄)

明治41年に完成し、明治に造られた五監獄の中で唯一、当時の姿を残してきた「奈良少年刑務所」が建物の老朽化と耐震面から平成29年3月閉鎖されました。この赤煉瓦造りの建物は、奈良を代表する近代洋風建築として有名で、重要文化財指定もされました。保存運動もあり、現在の外観はそのままにして、ホテルや付帯施設として再生されます。(夕日観音から徒歩5分)

転害門

東大寺西面大垣の北門で、762年頃の建立とされ、現存する奈良時代最大の八脚門として最高の格式を誇ります。また大仏守護のため、宇佐から東大寺へ影向された手向山八幡・転害会の御旅所です。佐保路門、景清門、手掻門ともいわれます。

般若寺 楼門

創建には諸説あり。その名が初めて登場するのは天平時代。均整の取れた端正な姿で有名な楼門は国宝。そこから見える十三重石塔(重文)は重さ80トンあり、宇治浮島の十三重石塔と共に鎌倉時代を代表するものです。これらは兵火による焼失を免れ、当時の繁栄を偲ばせてくれます。 コスモスの寺としても知られています。

参考コース順路(一例です。)

場所内容
近鉄奈良駅出発場所
 徒歩移動7分
きたまち鍋屋観光案内所10分
奈良女子大学記念館10分
 徒歩移動10分
聖武天皇陵(佐保山西陵)10分
光明皇后陵(佐保山東陵)10分
 徒歩移動10分
転害門10分
奈良市きたまち転害門観光案内所10分
 徒歩移動15分
北山十八間戸
夕日観音
 徒歩移動10分
般若寺 楼門20分
 徒歩移動10分
奈良豆比古神社(ならづひこ)20分
 徒歩移動2分
奈良阪バス停
 バス移動JR・近鉄奈良駅方面行きバス 10分
JR・近鉄奈良駅終了場所
 ← 左のマークの場所では、トイレをご利用いただけます。

いち押しポイント

京街道沿いのこの辺りは、古代から主要な街道として利用されてきた地域で、それぞれの時代の歴史が詰まったところです。「おすすめコース」を歩きながら、想像たくましくいろいろな時代にタイムスリップしてみてください。例えば、この界隈は;

  • 飛鳥時代には、飛鳥と山科・大津を結ぶ街道でした。壬申の乱に係わった人びとも往来していたかも知れません。
  • 奈良時代は、東七坊大路として都の東端に位置し、大仏建立の時には大量の物資が運ばれてきたはずです。
  • 中世には、松永久秀が多聞城を築き、豊かな南都(奈良)を掌中におさめました。
  • 江戸時代には、版画にも描かれた「雲井坂の雨」が南都八景の一つとして、多くの観光客を呼びました。
多聞城

戦国時代、大和一円を支配しようとした松永久秀が、1560年(永禄3年)眉間寺山(現若草中学)に多聞山城を築きました。四層の天守を備え、多聞櫓をめぐらす近世城郭史上画期的な造りの城です。織田信長はこの城をまねて安土城を造ったといわれています。築城からわずか20年ほどで取り壊されてしまいましたが、安土城を初めとする近代城郭における天守の先駆けと云え、その様子は宣教師ルイス・フロイスによってヨーロッパにも伝えられました。

耳寄り情報

奈良女子大学記念館

明治42年、奈良奉行所のあとに奈良女子高等師範学校本館として建てられた奈良女子大学記念館を外側から見学できます。北欧風の外観は優美で、明治洋風建築のセンスをうかがわせます。正門の右手にある守衛室とともに国の重要文化財です。

開館:10:00~16:00 月~金(大学の行事に支障のない日、祝日を除く)。
守衛室に申し出て、氏名等を記入のうえ見学

~まちかど博物館~

【向出醤油醸造】

明治12年創業。100年以上もの間昔ながらの製法で、大量生産にはない風味や香りを守っています。館長さんに案内されて奥へ入ると、薄暗い工場には大きな樽桶が所狭しと並び、醤油独特の香りが満ちています。
(予約 TEL:0742-22-2306)

【植村牧場】

明治17年創業。奈良で一番古いという牧場は、明治時代からの牛舎が建ち、35頭の牛と2頭のミニホースが皆さんを待っています。牧場の牛乳なども有料ですが味わえます。

【瓦道】

飛鳥時代に遡る瓦の歴史。瓦づくりの伝統の技は、1400年を経た今も脈々と受け継がれています。この博物館では瓦の製造工程を見学することができ、また予約すればミニチュアの瓦の製作も体験する(有料)ことができます。
(予約:TEL:0742-22-2391)

お願い

「まちかど博物館」は、一般の観光施設ではなく、地域に息づく文化や伝統を紹介し、皆さんに親しんでいただくための仕事場や生活の場などを公開しておられるところです。
ご見学の際は、この趣旨をご理解いただき、マナーを守ってご見学ください。